戦後の貧困に重なる危険な英国の今、ケン・ローチ監督新作 [映画]
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戦後の貧困に重なる危険な英国の今、ケン・ローチ監督新作
映画監督のケン・ローチ氏は、
最近の映画やテレビ番組のほとんどは心を打たないという。
「能天気な人々のための能天気な映画だね」というのが、
テレビドラマ『キャシー・カム・ホーム』や映画『ケス』で世に出た
映画人の容赦ない宣告だ。
もはや映画やテレビ番組は「問いかけていない。
脳みそのための柔らかいクッションのようだ。
上にいる大勢の官僚的な人間のせいで、人生というものが締め出されている」
と、仏パリでインタビューしたローチ監督は批判する。
■新作『The Spirit of '45』は社会の「解毒剤」
最新作『The Spirit of '45』は、ある「解毒剤」を処方しようと試みている。1945年の総選挙とクレメント・アト リー(Clement Attlee)首相の労働党政権による福祉国家建設に関するアーカイブ・ドキュメンタリーだ。
1930年代の英国と現在の憂える相似点を目にし、
76歳のケン・ローチ監督は「どうやってあそこから抜け出したか」を思い出そうとしたと語る。
「それ(無償医療や住宅の向上、高齢者や失業者への経済的支援)は、神の御業ではなく、可能だと言い たい。
自由市場やむき出しの資本主義といった新保守主義の思想は決して、尊厳に満ちた安定した生活を提供 はしない」
社会主義を信条とすることで知られるローチ監督は、第二次世界大戦後の福祉国家建設に英国を導いた 貧困は、
現代の英国社会を遠くまで見渡さずとも、すぐそこでこだましているという。
しかし、英国のテレビや映画はそうした現実を捉えず、画面に映るものは
「実際に起きていることとは、まったく関係のないこと」ばかりになりつつあるという。
「今、何がこの国で起きているか。カオス化する社会だ。
機能不全社会、若者の疎外──しかしテレビドラマを見ても、
そんなことは全然反映されていない」。
監督の目が向くのは、英国でも最も打ちひしがれているリバプールや北東部、
グラスゴーやイーストロンドンといった地域で起きている大量の失業や
「飢餓よりも肥満として表れるような」極貧、それから極右勢力の台頭だ。
10年足らず前には物質的安定が保証されているように見えた若者世代は今、
「つまらない」将来しかないと考えるようになっていると言う。
「若い人たちと話すと、彼らが何も期待していないことが分かる。
職には就けず、家は持てず、子供を育てることさえ期待していない。
彼らは政治的に考えているわけではないが、それが自分たちの未来だと、
希望のない未来だと言っている。(1930年代と)よく似ていて、
それは非常に危険だと思う」
他人事じゃありません。日本も似たような状況になってます。
1人1人が自分の目で見て、考え、行動しないと”つまらない”
将来になりますよ。
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戦後の貧困に重なる危険な英国の今、ケン・ローチ監督新作
映画監督のケン・ローチ氏は、
最近の映画やテレビ番組のほとんどは心を打たないという。
「能天気な人々のための能天気な映画だね」というのが、
テレビドラマ『キャシー・カム・ホーム』や映画『ケス』で世に出た
映画人の容赦ない宣告だ。
もはや映画やテレビ番組は「問いかけていない。
脳みそのための柔らかいクッションのようだ。
上にいる大勢の官僚的な人間のせいで、人生というものが締め出されている」
と、仏パリでインタビューしたローチ監督は批判する。
■新作『The Spirit of '45』は社会の「解毒剤」
最新作『The Spirit of '45』は、ある「解毒剤」を処方しようと試みている。1945年の総選挙とクレメント・アト リー(Clement Attlee)首相の労働党政権による福祉国家建設に関するアーカイブ・ドキュメンタリーだ。
1930年代の英国と現在の憂える相似点を目にし、
76歳のケン・ローチ監督は「どうやってあそこから抜け出したか」を思い出そうとしたと語る。
「それ(無償医療や住宅の向上、高齢者や失業者への経済的支援)は、神の御業ではなく、可能だと言い たい。
自由市場やむき出しの資本主義といった新保守主義の思想は決して、尊厳に満ちた安定した生活を提供 はしない」
社会主義を信条とすることで知られるローチ監督は、第二次世界大戦後の福祉国家建設に英国を導いた 貧困は、
現代の英国社会を遠くまで見渡さずとも、すぐそこでこだましているという。
しかし、英国のテレビや映画はそうした現実を捉えず、画面に映るものは
「実際に起きていることとは、まったく関係のないこと」ばかりになりつつあるという。
「今、何がこの国で起きているか。カオス化する社会だ。
機能不全社会、若者の疎外──しかしテレビドラマを見ても、
そんなことは全然反映されていない」。
監督の目が向くのは、英国でも最も打ちひしがれているリバプールや北東部、
グラスゴーやイーストロンドンといった地域で起きている大量の失業や
「飢餓よりも肥満として表れるような」極貧、それから極右勢力の台頭だ。
10年足らず前には物質的安定が保証されているように見えた若者世代は今、
「つまらない」将来しかないと考えるようになっていると言う。
「若い人たちと話すと、彼らが何も期待していないことが分かる。
職には就けず、家は持てず、子供を育てることさえ期待していない。
彼らは政治的に考えているわけではないが、それが自分たちの未来だと、
希望のない未来だと言っている。(1930年代と)よく似ていて、
それは非常に危険だと思う」
他人事じゃありません。日本も似たような状況になってます。
1人1人が自分の目で見て、考え、行動しないと”つまらない”
将来になりますよ。
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2013-05-11 20:50
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